家族


悟史は亜依に

「幸せにしてくれ」と言った

幸せにするでなく、幸せにしてくれ、だった

亜依は笑って

「なら私の事も幸せにしてね!」と言った

どちらか一方的な約束じゃなく

二人で幸せにして逝こうと言う約束が嬉しかった

歩いて逝こう



亜依と真依を抱き締めて悟史は想った


強い元妻を瞼の裏に焼き付けて‥‥

大人の顔をして立っていた息子の顔を脳に刻み付け‥‥

悟史は明日を夢見た




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