家族
エピローグ


離婚して亜沙美は実家の近くのアパートへと移り住んだ

親に会うのは実に‥‥17年ぶりの再会だった

頑固一徹な父は‥‥大病をして以来気弱になって

出戻り娘を抱き締めて号泣した

あの時反対しなければ‥‥

父の口癖は何時も後悔だったと母から聞いた

若くして結婚する娘を心配して反対するのは親なれば当たり前だと‥‥

親になって気付いた

親にならなければ解らない想いだった

母はずっと泣いていた

我が子を案じて何時も祈っていたと‥‥

泣きながら教えてくれた

幸せなら

それでいい

泣いているなら‥‥

帰っておいで亜沙美‥‥

何時も何時も‥‥そう願い空を見上げていたと‥

母は我が子を抱き締めて安堵した様に‥‥

そう言った

両親は一緒に住めば良いと言ってくれた

だが亜沙美は「それは虫が良すぎるから近くのアパートを契約して来たわ!」と笑って言った

頑固は親譲りなのだ

絶縁していた親との関係を修復し

亜沙美は新しい生活を始めた



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