空に向かって


「とりあえずギブスして固定しましょう。次の診断の予約は?」

「…取ります」

「ならまた4日後に来てね。痛み止め出しとくから痛くなったら一粒、のんでね。お大事に」

そう言っておじいちゃん先生による診察は終わり腕には看護師さんが丁寧に巻いてくれた白い包帯とギプス。

処置が終わると家までの距離を歩きながら帰る。

おじいちゃん先生は左腕のレントゲンを撮り処置するだけではなく、殴られて青黒くなった頰にも消毒とガーゼをしてくれた。

深いことは聞かなかったが、私は転びましたと先生にはそう言った。


炎天下の中、家までの距離がひどく遠く感じた。

たった5分の距離を歩いているだけで溶けてしまいそうな程暑い。

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