空に向かって
ソファで男のモノを口で咥えている母の姿が目に飛び込んできた。
夕方どき。
外ではミンミンと蝉が鳴くこの季節に、母は男を連れ込んで。
あろうことか、男とヤッていた。
「なに娘?」
ニヤニヤと汚い笑みで私を見る男。
私に見られているのにも関わらず、男のモノを咥えたままの母。
ソファがギシギシと鳴る音が耳から離れなかった。
堪らず私は家から飛び出した。
靴も履かずに、住宅街から飛び出して当てもなくフラフラと彷徨った。
日はすっかり落ち、気がつけばあたりは真っ暗になっていた。