空に向かって


上履きからローファーへと履き替えると、秀虎は私のカバンを持ち歩いていく。

「自分で持てるよ」

歩くスピードが少し早くなった秀虎に、少し離れて歩く。

校庭にはこのクソ暑いのに授業をサボっているであろう不良達がチラホラいる。

その不良達の視線を歩くだけで集める秀虎はその視線を無視して歩く。

多分紅蓮連合のメンバーなんだろうけど、秀虎と比べるとオーラが違いすぎる。

「お前さ」

少し離れたところから話しかけてくる。

「それいつ治るんだよ」

< 190 / 321 >

この作品をシェア

pagetop