空に向かって


ーブチッ


電話を切る。

見てない見てない。

誰からの着信だとか見てない。


スマホを裏に向け、テーブルの上に置くと再び部屋中に響く着信。

鳴っては切れ、鳴っては切れを繰り返す。

次第に鬱陶しく感じた私はタオルをスマホの上に置き音を小さくするとそれを放置して二階の自室へと籠る。


雨がザーザーと降る。

家には一人。

シーンとする家の中で、一階に置いているスマホがまだ着信を知らせる。

…いい加減諦めてくれればいいのに。

< 284 / 321 >

この作品をシェア

pagetop