空に向かって


開いた扉の隙間から、

ヒューヒューと風が吹き抜け、ザーザーと雨の音が鳴る。

…つまりは豪雨に近い雨ってこと。


「いるなら早く開けろよ」

コイツはこんなに雨が降ってるのに、傘も差さずに来たのだろうか。

髪から、服から、滴る水は異常なものだった。


「…お風呂入る?」

「は?」

「だって風邪引いちゃう」

仕方ないじゃん。

私のせいで濡れたんでしょ?
私が…勝手に帰っちゃったから。

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