空に向かって
「何もない部屋だね」
私の部屋に入るなり水樹さんはそういった。
確かに…今まで気がつかなったが、私と同い年くらいの女の子ってもっとカラフルな部屋だったり、人形が置いてあったりってそういうものなのだろうけど。
私の部屋にはベットと机しか置いていない。
あ、あとバレーボールのポスター。
「引きました?」
電気をつけて明るくなった視界に目を細めながら笑う私に、
「沙織ちゃんらしいね」
あってまだ数時間の何も知らないやつに向かってそう言える水樹さんは私の何を知っているのだろうか。
「…どうも」