空に向かって


「ちょ、沙織!見てみて!」

「なに?」


テンションMAXの麻美は廊下を見てワイワイと一人で騒いでいる。


そういえば、さっきから廊下がやけに煩いな。

今更ながらにそこに意識が向く。


「紅蓮連合の幹部来たみたいよ!」


そう嬉しそうにはしゃぐ麻美は廊下へと足を向ける。

…そりゃあ来るでしょ。学校くらい。


私はあまり興味がない。っていうかミーハー心は少しばかりあるが、朝の麻美のテンションにはついていけない。


朝から甲高い声なんて出せない。

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