ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~
暖かな風に潮の香りを感じるのは、近くに海があるためらしい。

港には関所があり、他国から旅人や商人が、海を渡ってやってくるそうだ。

バルバストルは交易都市として栄え、王都に次いで発展した街なのだということも、ジモンが教えてくれた。


(交易都市……それなら、珍しい食材がたくさんありそうね!)


美奈の強い興味が、この広場を囲う市場に注がれる。


「ええと、ジモンさん、アマンダさん、市場を見て回ってもいいですか?」


目を輝かせて左右に問いかければ、ミーナの両親の顔を曇らせてしまった。


「本当になにも覚えていないんだな。それでも他人行儀な呼び方はやめてくれ」

「そうよ、ミーナ。お父さん、お母さんと呼んでちょうだい」


あなた方の娘ではないのだと言い張っても、治癒院でのやり取りが繰り返されるだけであろう。

それに加えて、悲しげな目を向けられたら、違いますとは言えなくなり、美奈は小さな声で言い直した。


「お父さん、お母さん、市場を見てもいい?」


すると、ふたりに笑顔が戻る。

「もちろんだとも」と許可してもらえ、美奈は喜び勇んで近くにある店に駆け寄った。

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