ボクのお話。
「見て、手が真っ赤!…えい!」



背伸びして、冷たくて小さな手をボクの頬に当てる。

「冷た。」


冷たいはずなのに、暖かく感じる。
小さいはずなのに、大きな包容力を感じる。



ダメ。
これ以上ボクに触れないで。

抑えていたものが溢れないように、崩れないように。

ボクは必死にボクの中にあるナニカを抑えた。


んふふと笑っている君。
その笑顔の理由はボクに慣れてる?
それ笑顔はボクに向けたもの?



























ああ、ダメだ。
崩れる。















ボクは君の手を強く引き、そっと唇に触れた。
< 11 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop