この空の下
「隆哉さん」


「ん?」

私の声に、顔を上げた。


「もう、帰って」


「え?」

何を言っているんだって表情。


「俺は帰らないよ。ここに彼を置いたまま帰ればもとの関係に戻ってしまうかもしれない。そんなことさせられない」



「それは、私と空の問題」

ハッキリと言った。


「羽蘭・・・」

寂しそうな顔。
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