この空の下

隆哉と羽蘭・・・決断の時

冷たい表情のまま近づいてくるのは、

隆哉さん。



「こんなところで、何やっているんだ」

それは私に向けた言葉。



「お前こそ邪魔するな」

肩に回した手に力を込めながら、空が言う。


フン。

鼻を鳴らし、隆哉さんが私の肩から空の腕をおろした。


「お前」


つかみかかろうとする空をかわし、隆哉さんが私の腕をつかむ。


「来いっ」

力任せに引かれ、

「ちょ、ちょっと待って」

と言ってはみたけれど、

隆哉さんは怖い顔で睨んでいる。
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