この空の下
私は結婚なんてするつもりはない。

不幸な結婚をしてしまった両親を見えてきたから。

どんなことがあっても母さんのようにはならない。


「病院の跡取りとして結婚を迫られる俺と、結婚はしないと言い張るお前。こうなるしかなかったじゃないか」

「だから、別れるって言ってるじゃない」

「それができるくらいなら、とっくにしてるっ」

珍しく、怒鳴られた。



「なあ、戻って来てくれ。友達からでかまわないから」


空の手が私の肩に回された。

その瞬間、ゾクッとした。

触られたくなかった。


お願い、助けて・・・



その時、


「何やってるんだ?」


耳慣れた声が聞こえてきた。
< 253 / 405 >

この作品をシェア

pagetop