この空の下
アパートの前まで送ってもらい、


「じゃあ」

「ああ」


車を降りて階段を上りかけたとき、


「なあ羽蘭」

ん?


隆哉が追いかけてきた。



「どうしたの?」


「うん」


いきなりギューッと抱きしめられた。



「本当はこのまま連れて帰りたいんだけど、できそうもないな」

「うん」

色々と大人の事情があるからね。
< 265 / 405 >

この作品をシェア

pagetop