この空の下

SIDE 隆哉

俺だって暇なわけじゃない。

仕事だって山のように溜まっている。

「クソッ。何でこんなに渋滞しているんだ」

信号待ちで動かなくなった車の中で、つい汚い言葉が出てしまった。



でも、出てこないわけにはいかなかった。





「おお、隆哉」

待ち合わせの相手は手を振って俺を呼んだ。


「呼び出してすみません」

文句を言いに呼び出したくせに、年上って言うだけで敬語を使ってしまう俺。

バカだな。



「どうした?機嫌が悪そうだな」

「まあ」

ぶっきらぼうに答えた。
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