オレンジ色のROMANCE
奈緒は、相変わらずベタベタしてくる。
小さな仕草も可愛く思えたのに
舞香を失った今は、何でもなく思える。

「今日何食べようか?」
奈緒が毎日きいてくる。

「あ‼」

このセリフは舞香のセリフだった。

毎日送り迎えをして
バイト休みは、合わせて休みを取り
映画、買い物の順に1日がすすむ。

舞香は、愛らしい顔で
「今日何たべよっかぁ〜」
そう聞いてくる。

買い物先のスーパーで献立が決まる。
2人で手分けして食材をかたずける。
一段落したら

2人でベッドに寝転んで好きな
事をする。

夕方は1週間の洗濯を畳み、夕食を
作る。
そのあと舞香は1週間の料理の
下拵えを済ませ一緒に食事をとる。

そんな1日を過ごしたのはいつまで
だったろう。

永遠と続く日常だと勘違いしていた。
どこから来る自信なんだ。

舞香は、俺を離れない!
思い上がりもいい所だ。

舞香は浮気に厳しい。
頭も、いい。
そんな事も、忘れていたのか?。


今更だが奈緒をマンションの入口まで
送り帰る。

舞香のバイト先には、舞香は、居ない。
暫く眺めて帰るのが今の日常。


全く元気のなくなった俺を心配して
直樹と祐一、元同じ高校の同級生
がやってきた。

もう舞香の心の蓋は閉じられ諦め
たのに、追いかけたい自分がいる。

どうしようもないもどかしさに
耐えられない自分がいる。

そんな俺に気を使って、慰め会が
始まった。

馬鹿だアホだと罵られすっかり
酒の肴に成り下がった俺に直樹が
教えてくれた。

「この間、合コンでサー
可愛い子って念押したのにサー
それなりの子ばかり
だったんよ。」

「それで景気づけに
可愛い子ばかり居るっていう
キャバクラに行ったんだよ。」

「そうそうマジ~可愛かった
学生なんて言えねーから、
リーマンって事にしてサー。」

「こんだけ皆カワイーなら
NO1ってどんだけカワイーのって
話になって待ったんだよ。
NO1は、今Vipにいるからって
きいて待ってみたんだ。」

「もうっ‼五十嵐さん。カフェは
どうしたん ですか?
毎晩来るなんてどうかしてますよ‼

第ー、お金もったいないですっ‼」

「そう思うならカフェに
帰ってくれば...」

「まだ勉強したいの‼」

「は‼?
なんの勉強?」


「ふふっ、イ.ロ.ケ.(öᴗ<๑)」

➷カクッ➹

ズレた銀縁メガネを整えながら

「色気勉強して何するの?」
と一言きいてみた。


舞香は、どこで覚えたのか、水割り
を作る
コロコロと回すグラスの氷さえ
美味しそうに見える。

「だってぇ、結婚したとき、飽きられ
無い様にするため~」
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