オレンジ色のROMANCE
明日はジーちゃんの奢りで飲んで食べて、食べまくるぞっ‼


「がんばれ〜喉仏〜」
「(//∇//)おー。」
声を変えて掛け声をあげる。
次の日は、矢張り雨だった。


舞香は、久しぶりに専門書の置いてある 街中の書店まで足を延ばした。

雨の日は家にいるのが寂しくなる。 帰りはカフェに寄ってお昼を、食べようと自分計画をたてながら歩くと...

某有名ホテルの前

見慣れた車がとまった。
少し、遠いがよく見える。
目を凝らしてジッとみればやはり
拓成が降りて来た。
拓成は、キーをボーイさんに預け
中に入って行く。


きちんとオールバックに流された
髪は理知的な拓成をもっと
賢そうに見せる。

舞香の好きな青いカッターシャッに紺色のネクタイ。
黒のラメ入りのスーツ
ヤッパリカッコイイ。


杏は又惚れ直す事だろう。

心残りはあの喉仏
あれは私のだったのに....

拓成の後ろ姿に飛びついて
「行かないで拓成。
拓成は、私のものでしょっ‼」

相手が妹じゃないなら、そう言い
たい。妹の彼なんだ今は....そんな事
出来ない。


ホテルに入る拓成の後ろ姿を見送りながら遠い記憶が甦る。

ジーちゃんバーちゃんと買い物に
来た日だ。街中で母を見つけ飛び付いた。
「ママ今日はかえってくるの?」
母親は、冷たい顔を向けて知らん顔をした。
伸ばした手は叩き落とされた

足が止まりこれ以上追って行ったらいけないと思った。
そのあと雨に濡れたせいとショックで1ヶ月寝込んだ。

振り向かない母を追いかけるのを
諦めた日、母を恨みながら
「うわああぁぁんうあああぁぁん」
と泣いた。

拓成の後ろ姿は追いかけては
いけない。あの日の母の背中と同じだった。

そんな辛い過去を思い出させる
光景だった。

また1人自分から離れていくのだと寂しく悲しくあの頃の自分のように大声で無き叫び雨に濡れて熱出したら又、忘れられるのに..

拓成に飛びついて哀願しても
もうどうなるものではない。
バックの中のポーチを握り締め
大丈夫、大丈夫と呪文の
ように呟いた。



トイレに入り、喉仏をチエック。
彼には何故がこのネクタイが合う。
男らしくみえる。
舞香に愛され尽くしている喉仏クン。

彼がいる以上舞香は俺から離れられ無い。溺愛されてうらやまし﹏っ。

なんて馬鹿な独り言で盛り上がり
顔を引きしめてホテル内の料亭の
支店である “ノシの屋“ に入る。
料理ではかなり有名な店だ。

案内され部屋へと向かった。









舞香が足を踏み出した時
黒塗りの高級車が止まった。
ドアが開き出てきたのはピンクの
訪問着を着た母親と赤い振袖を着た
杏だった。

母親は、着物が良く似合って
相変わらず綺麗だと思う。

杏も髪を結い上げ可愛らしくみえる。

母は私の恋を邪魔する、なんの為の母親、母親を初めて憎んだ。
「杏ばっかりズルい」
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