【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「それでお義父さんはなんだって?」
「パリへ行って女流画家と契約をしてきてほしいと言われたの」
「パリへ?」

「うん。その画家から数点買うんだけど、向こうは自分の子供みたいな作品が心配だから、ちゃんと書面だけではなく会って契約したいって。お父さん、明後日からロシアへ行く予定で」

 女流画家は一週間後にパリを離れるから、早く行かなければならないことも付け足す。

「行ってくるといい。お義父さんが心春を必要としているんだ。パリなら安心だし。もしロシアへひとりで行くのであれば頷けないが」

 柊吾さんはそんな大役ができるのか二の足を踏んでいた私の背中を押してくれた。

「はいっ! 柊吾さん、ありがとう。パリへは行きたいけど、お仕事を任されるのは心配だったの」
「心春なら大丈夫だ。藤井画廊の娘で、美術にも詳しいのだから。年齢が少し上に見えるように落ち着いた服で会うといい」

 柊吾さんのアドバイスに私はにっこり笑って頷いた。


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