【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「日本から十三時間近くかかるというのに、俊敏さに驚きましたよ」
「パリ支社から暴動の連絡が入ったとき、すぐに行動に移したので」
「素晴らしい。なかなかすぐにできることではありませんよ。では、奥さまはゆっくりさせるようにしてください」

 男性医師は看護師を連れて病室を出ていった。

 柊吾さんに水を飲ませてもらった私はようやく口の中が滑らかになった。

「心配かけてしまってごめんなさい……」

 私の手が再び握られ、柊吾さんの唇が触れる。

「無事でよかった。暴動の知らせを受けたのは二十一時だったんだ。心春のスマホは呼び出し音が鳴るばかりで、嫌な予感に襲われた。ホテルに連絡すると朝出ていったきり戻っていないと言われ、梨沙さんにもかけたんだ」
「そうだ……オーリィ家へ行く前にホテルに戻ろうとして……」
「俺が来たとき、梨沙さんが心春に付き添ってくれていだ。ジュリアンもいた。医師からは大丈夫だと言われていたそうだが、心春を心配していて、私が到着してようやく帰宅したんだ」

 皆に迷惑をかけてしまったと、落ち込みそうになる。

「俺も生きた心地がしなかったよ。生きていてくれて神に感謝した」

 柊吾さんは額にかかる私の髪を優しく払い、愛情を込めたキスをする。

「もう少し眠るといい。俺は日本と梨沙さんに連絡をしてくる」
「うん」

 薬のせいか頭がボーッとしてしまい、目を閉じた。

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