【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 オーリィ夫妻には子供がふたりいる。

 十七歳の高校三年生、兄のジュリアン・健人(けんと)、妹は十五歳の高校一年生、ポーリン・七美(ななみ)。
 
 ふたりとも目鼻立ちがはっきりし、綺麗な顔をしている。
 
 彼らは人懐っこく、私はすぐに仲良くなった。
 
 結婚十八年目のオーリィ夫妻は今でもラブラブで、私たちの前でも平気で熱烈なキスをする。
 
 ホームステイを始めたばかりの頃は、見ている私のほうが恥ずかしくて仕方なかったけど、今ではオーリィ夫妻の愛情表現はいいなと思っている。
 
 私も結婚したら、いつも『愛している』って愛情表現してくれる人がいい。

 そこへドアがノックされた。

 ちょうど真悠の住所を書き終えたところ。

 私がフランス語で「はい」と返事をすると、ひとつ年下のジュリアンがドアから顔を覗かせる。

「ハル」

 ジュリアンとポーリンは日本語も話せるけど、私の勉強のため、日本語は禁止になっている。
 
 高校生からフランス語教室に通っていたが、私のフランス語はまだまだ。

 でも、オーリィ家の皆さんのおかげで、日常会話程度なら躊躇なく口から出るようになっていた。

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