【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「恵里菜さんは柊吾さんが大好きなんですね」
「年に数回しか会わないせいだろう。恵里菜の態度は失礼だったな。すまない。父が正巳と先に帰らせたようだ」
「そんな失礼ってことは……私よりも大人っぽくて驚きました」
「ませているだけだ。小さい頃は児童劇団で子役タレントをしていた影響もあると思う」

 私は恵里菜さんが児童劇団に所属していたことに驚いた。

「テレビに出ていたんですか?」
「数年だが。小さい頃は引っ込み思案だったから、どうにかしようと入れたようだ」

 柊吾さんが実家に泊まらずにホテルを利用した理由がわかる気がした。

「正巳さんは八神物産にお勤めなんですか?」
「ああ。本社の経営戦略部の部長だ」

 柊吾さんもそうだけど、若いのに重責のある役職で大変だなと思う。八神家の一員として、帝王学を学んでいるのだろう。


 ファーストクラスは広くて、柊吾さんの言った通り、足を伸ばしてもゆったりと余裕があった。

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