対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
居酒屋の戸を開ける前から賑やかな声が漏れ聞こえてきている。中に入ると空気は既に出来上がっていて、酔いつぶれた数人が畳の上に寝転がっている有様だった。
「わー、恵巳じゃん!久しぶりー!」
中の様子を窺う恵巳に真っ先に気が付いて抱き着いてきたのは、幼稚園から一緒の志保。頬が赤く、その手には空のグラスが握られていた。
「うん、先月会ったばっかりだけどね」
苦笑いで答えると、すぐに輪の中に連れて行かれ、満杯のビールジョッキを持たされる。2人が再会したときのお決まりの挨拶である。
「恵巳が来たことだし、改めまして、かんぱーい」
志保が掛け声をかけると、あちこちでグラスが上がる。恵巳もとりあえず一口だけ流し込んだ。
「お前ら、いくつになっても変わんねーな」
そう言って、頬杖をついて、なぜか空になった熱燗を並べている蓮。仕事終わりに同級生に見つかり、そのまま居酒屋に連行されたらしい。
「なんだ、蓮もいたんだ。来ないんだと思ってた」
「俺だって来ない気だったんだよ。なのにこいつらが…」
「はーいちゅうもーく!!」
文句を言おうとした蓮だが、本日の主役と書かれたタスキを持った男性が、玩具のマイクを口に当てて大声で言い放ったことで遮られた。一斉に注目が集まる。
「わー、恵巳じゃん!久しぶりー!」
中の様子を窺う恵巳に真っ先に気が付いて抱き着いてきたのは、幼稚園から一緒の志保。頬が赤く、その手には空のグラスが握られていた。
「うん、先月会ったばっかりだけどね」
苦笑いで答えると、すぐに輪の中に連れて行かれ、満杯のビールジョッキを持たされる。2人が再会したときのお決まりの挨拶である。
「恵巳が来たことだし、改めまして、かんぱーい」
志保が掛け声をかけると、あちこちでグラスが上がる。恵巳もとりあえず一口だけ流し込んだ。
「お前ら、いくつになっても変わんねーな」
そう言って、頬杖をついて、なぜか空になった熱燗を並べている蓮。仕事終わりに同級生に見つかり、そのまま居酒屋に連行されたらしい。
「なんだ、蓮もいたんだ。来ないんだと思ってた」
「俺だって来ない気だったんだよ。なのにこいつらが…」
「はーいちゅうもーく!!」
文句を言おうとした蓮だが、本日の主役と書かれたタスキを持った男性が、玩具のマイクを口に当てて大声で言い放ったことで遮られた。一斉に注目が集まる。