音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました!!
「えっ?何?」

「夏に雪?」

「えっ?どうして雪山にいるの!?」

行き交う人々が足を止める。私も驚いていた。

辺りにはあの曲のイントロが流れ、目の前は一面真っ白な銀世界。アナと雪の女王の世界だ。

ディズニーなら二人も知っているはず、と思い心の中でイントロを流していたのだが、今目の前で音楽が鳴り、歌の世界が広がっている。

私は戸惑いながらも歌を歌う。すると、人々はこちらに興味を持ってくれたようだ。じっと見つめている。

二番のサビに入ると、私の背後に氷でできた城が現れ、人々はさらに驚く。二人もポカンと口を開けていた。

自分でも何が起こったのかよくわからないまま、私はありのままでを歌い終えた。

途端に景色はもとの街に戻る。雪も、氷もない。

人々は、拍手を送ってくれた。私はそれに頭を下げて応える。人前で歌ったのは初めてだったが、とても楽しかった。

「お姉さん歌上手だね!」

「どうやって雪を降らせたんですか?」

男の子と女の子が口々に言う。私は「えっと……」と言うことしかできない。自分でもよくわからない現象だったのだ。
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