拾ったワンコが王子を連れて来た

なにが、分かんないなら分かんないで良いだ!
私達はツーカーの仲じゃないんだよ?
私達は、他人なんだから言わなきゃわかんないでしょ!?
あー腹立つ!
朝から気分悪いったら無いわ!

でも…
あの生田さんが、あそこまで言うなんて…
ホントに何があったんだろう…

「真美おはよう!」
後ろからかけより、いつもと変わらず元気な、さっちゃんの声がした。

「…あ…さっちゃん…おはよう…」

「どうした? 元気ないじゃん?
もしかして、今朝もメール攻め?」

顔を顰めて言うさっちゃんに、私はただ首を振る。

「真美、あんた明日休みでしょ?
今晩飲みに行く? 例の話も聞きたいし?」

「ごめん…今日はそんな気分じゃなくて…」

「ダーメ!
話してくれる約束だったんだから、仕事終わったら行くよ!」

今は、とても話せる気持ちにはなれないけど、結局、さっちゃんに押し切られ、仕事終わりに付き合う事を約束させられてしまった。

生田さん、本当に出て行っちゃうのかな…
私の何がいけなかったの…

生田さん、ウチを出て行く当てあるの?
ワンコロは?

会社の寮にするのかな?
今、寮って空いてるの?
会社の寮ってワンコロも大丈夫なの?

それとも、部屋借りるのかな?
ワンコロが居て借りれる?



この日の私は災厄だった。
仕事中も、生田さんとの事ばかりを考え、ボーとして笑顔が全く出せずに居た。
お部屋の階を間違えたり、カードキーをお客様へ渡し忘れたり、お客様からのクレームにはならなかったけど、今日の私の仕事ぶりは酷いものだった。
お陰で何度もチーフに注意受けてしまった。




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