何処かにいるかもしれない高校生の独り言
━━━━ハッと目を覚ますと頬に何か動く湿っぽい感覚があった。
「……?」
薄目でその方向へと顔を向けると愛犬が俺の頬を舐めていた。
「ん〜……こら…クロやめ…」
思わずふっと微笑むと重い体を起こし精一杯撫でてやった。
すると満足したのかぶるっと体を振ってからお気に入りの自分の寝床へと戻っていった。
「ふあぁ〜…あれ?今何時…?」
壁かけタイプの時計に目をやると朝の11時を指していた。
特に別にいつも見かける時間に驚きもしない。
もちろん土日って事はなく今日は平日だ。
ニートや夏休みでもなければ謹慎処分を受けた訳でも到底ない。
普通の学生。
俺は今年高校生になったばかりの高校1年生だ。
ただ毎日こんな不規則な時間に起きていられるのは学校が通信制だからである。