何処かにいるかもしれない高校生の独り言


「あれ…?なんか夢見たっけ…?」



全然覚えてない…
まぁいいや…

何か楽しい夢ではなかった事は確かだ。





ゾンビのような顔付きと遅さでリビングに行くと
氷を3、4個入れ昨晩から冷やしておいた麦茶を勢いよく注いだ。



軽く飲み干すと寝ぼけている体に冷たいものがすーっと流れて生き返っていくのが分かる。

ゆっくり冷たさを堪能した後、再びお茶を注ぎ入れリビングへと向かった。






静かなリビングの中、愛犬の寝息だけが微かに聞こえた。



両親は共働きで俺は起きるのが遅い為、休日でもなきゃ基本朝は自由であり、とても静かだ。

充電してあったスマホのプラグを抜きスマホを取ってくるとソファにどかっと腰を下ろした。



あ、インスタなんか通知入ってる…



ネットのゲーム友達にLINEを返すと自然に俺の指はインスタを開いた。

もちろんそんなリア充なもの俺がやっている訳ではなく小学生の時や一部中学の時の知り合いをフォローしてたまに見ているくらいだった。


そしていつも覗いては楽しそうに高校生活を送っている同級生を見ていつも落ち込んでいた。

よくだったら見なければいいじゃんと言われるんだけど…俺でも本当そう思います。

なんか…

なんか見ちゃうんだよね………




もしかしたら友達や周りとの交流が皆無の今、外部との繋がりというものを微かに感じたいのかもしれない。あるいは俺も同じ高校生だと言う事を忘れない様に。



笑顔なプリクラに部活の集合写真。誰かの誕生日に机いっぱいのお菓子の山。

あとはこのご時世、よくタピオカが流れてくる。



< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop