エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない

「その、昨日の話が途中になっちゃってたから」

白坂くんと話しているときに芝浦が割り込んできたから、白坂くんとの話は中途半端に終わってしまったままだ。
内容が内容なだけに、私から蒸し返すような話ではないのかもしれないとも考えたものの、あんな形で話を終わらせてしまったことはきちんと謝るべきだと思った。

「ごめんね」

目を見て謝ると、白坂くんはそんな私をしばらくじっと見つめる。
感情がわからない瞳をただ見つめ返していると、彼は目を合わせたままで聞く。

「昨日の感じだと、芝浦さんと付き合うことになったんですよね?」
「……うん」

社内恋愛は色々面倒だし、私的にはわざわざ周りに言うつもりはない。
できれば内緒にしたいくらいに考えている。

それでも、白坂くんには隠すつもりはなかった。
彼が私に向けてくれる言葉の端に、恋愛感情が混じっていることをもう知っているからこそ。

目を逸らさずにうなずいた私に、白坂くんは表情を変えずに「よかったですね」と答えた。

「隠すつもりもないし、桜井さんももう気づいていると思うから言いますけど、俺も桜井さんのこと好きです。でも、だからって桜井さんとどうこうなりたいってわけでもないので、気にしてくれなくて大丈夫ですから」

うまく理解できずに、フリーズしてしまう。
一瞬、私を気遣っての強がりの可能性も考えたけれど、白坂くんの態度を見る限りそうではなさそうだ。

本当に言葉通りということだろうか……と眉を寄せた私を見て、白坂くんが続ける。

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