エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
「メッセージ、せっかくくれたのに気づかなくてごめん。思いっきり部屋着なのはスルーして」
先手を打って言い訳する。
芝浦の視線が痛くていたたまれない思いだった。やっぱり、少し待ってもらってでも着替えるべきだったかもしれない。
「宅配便受け取るにもその恰好じゃまずいだろ」
「今日やりたかったことをやり終えて、やっとシャワー浴びたところだったの。着替えようと思ったけど、待たせるのは悪いかと思って……」
「……だとしても」
「私だって誰彼構わずこんな格好では出ない。っていうか、既読つくまで連投してくれたらこんなことにはならなかったのに……」
「……悪い。電話すればよかった」
芝浦が目を逸らして謝るなんて相当だ。それほどまでにダメだったか……。
気恥ずかしさのあまり責めるような言い方になってしまったけれど、まさかこんな素直な謝罪が返ってくるなんて思わなかった。
いつもとは違う空気を感じ、私も謝る。
「ううん。こっちこそごめん。今後は気を付ける」
自分だけが気まずいわけじゃないことに今更気づき、やっぱり着替えるべきだったか、と後悔した。
芝浦にも悪いことをしてしまった。
「これ。依田さんからの差し入れ」
手渡してくれた小さいサイズの紙袋を受け取ると、見た目以上の重さがあった。
依田さんのお店のたい焼きは、厚くもちもちした生地とずっしりと入ったあんこが特徴だ。でもそれにしても重たいな……と中を覗くと、五枚も入っていて驚く。