揺蕩う空へ魔法の句を
「…じゃあ、墾田永年私財法の話。これは743年に出された、土地の私有を永久に認める決まりなんだ。新しく開墾して土地を作った場合、永久に土地を私有できるようにした」

「次は遣唐使。遣隋使と同じ意味なんだ。隋と唐は呼び方は違うけど、同じ中国のこと。菅原道真の意見によって停止されるまで十数回派遣されたんだ。…唐から来た人で有名なのが鑑真かな。鑑真は、5回も日本に来ようとして失敗したんだ。最終的に失明して日本に来た。そして、僧が守るべき決まりなどを教えた」

「奈良時代の天皇は、聖武天皇。仏教を深く信じて仏教の力で国を守ろうと考えたんだ。聖武天皇の時代、仏教を中心とする天平文化が栄えた…奈良時代はこれだけにしよう」

私がそう言うと、義昭は「お前が句を詠め。これからは俺と色葉の交互だ」と冷めた目で私を見た。

「……どうしようかな。そうだ…奈良時代 平城京が 都だよ」

私が色紙に筆を走らせながらそう言う。義昭は下手だ、と言いたげな目を私に向けた。

仕方ないでしょ!俳句とか作るの苦手なんだから!!
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