揺蕩う空へ魔法の句を



その日の放課後、私は第二多目的室に入った。壁には義昭がもたれている。

「……ようこそ。川柳同好会へ」

義昭はそう言って微笑んだ。

「数年前からある部活らしいぞ。俺は、この部活に入って1人で活動していたんだ」

そう言って義昭は私と向かい合って座った。私は数日前のように義昭を見つめる。

「…まずは明治維新の話からだな。幕末から明治時代の初期、新政府による改革とそれに伴う社会の変革のことだ。また、新政府は1868年に新政府が示した五箇条からなる基本方針、五箇条の御誓文がある」

「1871年、藩を廃止して新たに府・県を置いた政策を廃藩置県という。また、明治新政府による土地制度・税制の改革を地租改正というぞ」

「……1889年2月11日に発布された憲法を大日本帝国憲法という。君主権の強いドイツ憲法――または、プロイセンともいう。その憲法を参考に伊藤博文らが作成して発布したんだ」

「1894年の甲午農民戦争をきっかけに始まった、朝鮮の支配権をめぐる清との戦争を日清戦争という。1895年に結ばれた日清戦争の講和条約が下関条約だ。で、1904年から朝鮮・中国東北部をめぐる日本とロシアの戦争が日露戦争。1905年に結ばれた日露戦争の講和条約がポーツマス条約だ。こんな感じで良いか?」

私は一気に説明されても覚え切れないので首を縦に振る。

「ちなみに、この時代に俺が詠んだ句は、明治なり 富国強兵 強化かな…だ」
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