私が恋を知る頃に
手術の日程や、術前検査の予定がどんどん決定していったその日の夜、俺は穂海ちゃんがちゃんと寝付けているか確認するために、再び穂海ちゃんの病室へ向かっていた。

コンコンッ

小さくドアをノックするも、返事は聞こえない。

寝ちゃったのかな…そう思いながらそっとドアを開ける。

穂海ちゃんの部屋は電気が消えていて、枕元の間接照明だけがついている。

よかった今日はちゃんと寝れたみたい…

布団の盛り上がり方を見るに、布団の中に潜って丸くなった体制で寝ているみたいだ。

今日の様子を確認するために、ベッド横にかけてある看護師さんが記録してくれているカルテを覗こうとベッドに近づく。

しかし、そこでふと違和感に気付いた。

……おかしい、どうも静かすぎる

なぜかすごく嫌な予感がして、バッと布団をめくる

すると

そこに穂海ちゃんの姿はなかった。
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