黒と白の羽
「何だ・・・?今の術は・・・」



リークは唖然と呟く。



「今のは、この水月の特殊能力。香律の翡翠は甘い匂いで鳥とか動物を誘惑して・・・使うのよ。俺は、動物を使って何かを殺すのはイヤ。だから、こう言った捜索に使うんだ」




リークは内心、驚きばっかりだった。



いつの間にか剣を持っている事も、精霊の集まり方も・・・




「・・・すげぇな」



呟くしかなかった。





一羽の鳥が戻ってきた。



「何処だった?」


優しく問いかける鈴羅。



「・・・ありがと。お前だけ残っててね?他の鳥達は帰そうか」



口笛を吹いた。



何も起こらなかったが、鳥の気配が変わった。



「さて、リーク様?失礼ですが・・・リール様は?」


あ・・・と思い出し、探しに向ったリークとデグル。



そこに残った鈴羅。



ふぅ・・・と息をつく。



「困ったな~」



その呟きはリークの声に掻き消された。
< 32 / 69 >

この作品をシェア

pagetop