黒と白の羽

聖水の杯

「まぁ、楽しめたら良い訳だし・・・やってやろうじゃん」



鈴羅はリールと中庭へ向かった。



中庭には、貴族達、王族、全員集まっていた。




「さて、リール姫。さっき教えた呪詞を唱えてくれるか?」


鈴羅はリールの耳に囁く。


「分かったやってみる」


リールは頷き呪詞を唱え始める。



水の精霊たちがリールの元に集まる。



鈴羅は一礼して・・・水の精霊を呼び出す。


だが、リールに教えた呪詞とは違うものだった。




「―水の精霊たちよ

聞け

我が呼ばいし声を

唱えるこの唄を

見せろ汝らに

清流の音を

我レイラの名の元に

来い

水虎よ」



鈴羅の左右から水が出てきた。



出て上がる形は虎。



大きな虎で、デグルと同じ大きさ。



貴族からは歓声が上がる。



『主・・・何をすれば良い?』


水虎は鈴羅に呼びかける。


「取り合えず、空に向かって水球をいくつかやっちゃって?」


鈴羅の注文に頷き、空に水の玉がいくつも上がった。
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