黒と白の羽

黒の咎

「国王?闇姫と呼ばれる者の言葉を信じないでしょうが・・・逃げたほうがいいと思いますけど?」



鈴羅は髪を結い直す。




「信じねぇよ」


即座に返される言葉。



「そうですか。なら・・・手出しはしないで下さいよ?」



雷が轟く。雨が降り出す。



貴族たちを中に入れる兵士達。



国王達も中に入っていく。


もちろん、外に居る兵士も中に入る。




鈴羅は、右手に水月を持っている。




「どうしてかなぁ・・・何でリール姫のお祝い事に・・・来るのかなぁ?
しかも、本当に呼ばれてるのかよ。草薙家次期宗主。草薙騎斗!!」



鈴羅は目の前に居る男性を睨み付けた。




「うるせぇな・・・つーか一つも変わってないな。鈴羅」



普通の人より、濃い黒い髪と黒い瞳の男性。


騎斗も右手には刀を握っている。



「黙れば?【緋月―ヒツキ―】も変わってないんだね」



緋月は騎斗の刀で、炎系統だ。



「まぁな。で?お前、何で王族に着く?」



騎斗の目つきが変わった。



「理由は無いよ。ただね・・・自分の居場所探しと、裏で動くより堂々と動きたいからね」



鈴羅は後ろに大きく跳躍する。
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