訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「何?私何も知らないんだけど!?
紫音は元の家に戻るんだよね?
一緒には暮らせないって言ったよね?
しかも、和士は知ってたみたいだし…何この状況!?」
「あ〜それはね、姉さん」
「俺が提案したんだ」
「和士?」
「折角姉弟として再会出来たんだ、一緒に暮らせばいいじゃねぇか」
「だからっそれは紫音が危ないから「紫音に渡したネックレス」」
「ソレがあれば、奴等には気付かれない。ならいいじゃねぇか」
「そうだけど、もし…もし、紫音が危ない目に合ったら…私はっ「姉さん」」
「姉さんの気持ちは分かってる。でもさ?俺だって和士さんと話して決めたんだ」
「?」
「これからは俺も姉さんを護る。危険な目にも合うかもしれない、それは覚悟したんだ」
「…っ駄目、紫音には普通の生活を送ってほし「それは俺も同じ」」
「俺だって、姉さんに普通の幸せな生活を送ってほしい」

紫音が私に目線を合わせ

「もう、姉さんに護られてばかりの《し〜ちゃん》じゃないんだよ」
「!?」

『し〜ちゃん』
『お姉ちゃん!』
『し〜ちゃんは、ずっとお姉ちゃんが護るからね』

懐かしい、昔の呼び方
そうだ、もう紫音は大きくなった
紫音は私の頭を撫で

「これからは、俺が姉さんを護るから。大丈夫だよ」
「ん、うん。そうだね、紫音、大きくなったもんね」
「栞、今の紫音ならいいだろ?ここで一緒に暮らしても」
「…分かった。紫音、一緒に暮らそ」
「うん!」
「でも、あの家は?」
「大丈夫、いつでも帰れる。
跡取りの事も姉さんと相談しなきゃって考えてたんだ」
「考えるも何も、私は今までいなかったんだから、紫音が継ぐべきでしょ?」
「今までいなくても姉さんは、神崎家の長女に変わりない」
「周りが反対する」
「勝手に言わせておけばいいんだよ」
「…ふぅ、また今度話そ。今は荷物を片付けよ」
「「おう!」」

それから暫く学校には行かず家で過ごし、必要な物を買いに出掛けた
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