俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
馬鹿馬鹿しいと思いつつも、勿体つけた横瀬の言い方が可笑しくて「なんだよ伏兵って」と、苦笑が零れてしまう。

すると横瀬は前のめりになって鼻の穴を膨らませ、声を潜めて言った。

「うちの新人の椛田って子。地味~に見えて爆乳」

「なんだと」

俺も竹下も、一瞬真顔になった。



老いも若きも、チャラ男も非モテも。少なからず胸の話題に反応してしまうのは、男の悲しい性だ。

「あー……なるほど。服でカバーしてるけどグラビア体型っすね」

横瀬の情報が気になってしまった俺と竹下は、カフェから戻る途中わざとクリエイティブルームの前を通ってその新人とやらをチェックした。

「お前なんでそんな慧眼持ってんの?」

謎に女に精通している後輩に感心しながら、俺もさりげなくその新人を目で追う。

長めのショートボブに丸顔、体型を隠そうとしているのか微妙にやぼったい服装。地味としか言いようがない。っていうか広告会社のデザイナーがそのセンスでいいのか?とツッコみたくなる。

けれどもなんというか。

「俺は細い系の子が好きなんでちょっと違うかなーって感じだけど、好きな人は好きな感じっすね」

「俺、その〝好きな人〟に入るかも」

やけに自分の中の〝男〟の部分を鷲掴まれた気がして、俺は自分の好みのタイプがこーいう女だったのだと、初めて知った。
 
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