俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「『吊るされた男』の正位置……良いとはいえない未来が出ていますね」
一枚のカードを捲り、私に向かって厳しい結果を突きつけた。
「そ、そんなぁ」
泣きそうな顔をする私に、シャーマン美鈴は目力のこもった眼差しを向けて説明する。
「あなたがどんなに恋の成就を願っても、運命は動かず停滞することを示しています。つまり現状は変わらない。あなたは永遠に片思いのまま。これは星の決めた運命なので、自力で変えることは不可能です……しかし、私の力ならばそれを覆すことができるでしょう」
絶望的な未来を告げられた後に一縷の希望を提示されて、私は思わず目を輝かせる。
「ぜひ! 力を貸してください! 私は素敵な彼氏を作って、イイ女になって、仕事もうまくいって、協力会社の嫌みな担当者をケチョンケチョンにしてやらなきゃ気が済まないんです!」
もはや私の中では、素敵な彼氏ができれば世界がすべてうまく回るような気がしているけれど、まあさして間違ってもいないだろう。
とにかく、私は現状を変えてくれるような素敵な彼氏が欲しいのだ。そしてそれは絶対、小宮山さんしかありえないのだ。
すがるような気持ちでお願いした私に、シャーマン美鈴はテーブルの引き出しから小さなガラス瓶を出して見せた。
マニュキュアの小瓶くらいの大きさのそれにはピンク色の液体が入っており、いかにも妖しい雰囲気を漂わせている。