俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「見ちゃ駄目! こっち向いちゃ駄目です!」
このままでは周防さんが私に惚れてしまうと思い、慌てて顔を逸らし、隠すように手を前に突き出した。
まさか、惚れ薬なんて効かない。こんなのはデタラメの嘘っぱちだ――そう思いながらも嫌な予感に鼓動が加速する。
リフレッシュスペースにはしばし沈黙が訪れ、私がおそるおそる顔を前に向け直したとき。
(う……うっそーーー!!?)
目に映ったのは、頬をほんのり赤らめて恥ずかしそうに口もとに手をあててソワソワとしている周防さんの姿だった。
(まさか効いたの!? 本当に惚れ薬が効いちゃったの!?)
今まで見たこともないような態度の周防さんを前にして、私は口を大きく開けたまま唖然とする。
ふと横を見ると、和花ちゃんも同じ表情をしていた。
(これ……まさか、効いてる?)
(まさかあ! そんなはず……まさか……)
和花ちゃんとアイコンタクトで会話していると、さっき手に戻された空の紙コップをふいに奪われた。
「え?」と思い視線を周防さんに戻すと、彼は私に向かって照れたようにニコリと笑いかけてくる。