先輩手に入れます!

雫「殴ってもいいですよ、私の事。
私は先輩のサンドバッグですから。」

瀬那「アホか。殴らねぇっつーの。
まあ、でも...サンキューな。
俺らの事、庇ってくれて。」

私の頭にフワリと何かが乗ると
先輩の匂いがした。

雫「それ、やる。返さなくていい。
俺、片付けあるから戻るわ。
お前も早く帰れよ。風邪引くぞ。」

頭にかかったタオルを握りしめる。
私の宝物がまた1つ増えた。

雫「...先輩。」

瀬那「何?」

雫「明日の朝練が終わったら
一緒におにぎり食べませんか?
持って行きます。特大のおにぎり。」

瀬那「...考えとく。」

雫「はいっ!」

学校へと向かって歩く先輩は
やっぱり1度も振り返っては
くれなかったけど
また1歩、先輩との距離が
縮まったような気がした。
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