オーロラの下、君を想う
「きれいなオーロラね……!」

桜木真冬(さくらぎまふゆ)はテレビを見つめながら、画面に広がる景色に見とれた。

美しく空に広がる光のカーテン。それは、言葉に言い表せないほど壮大で美しい光景だった。

「俺も行ってみたいんだ、北欧」

真冬の隣に座った男性が優しく笑う。二人はソファに座り、北欧に芸能人が旅をするというテレビを見ていた。

「なら、いつか一緒に行きましょうよ!私もこの目でオーロラを見たい」

そう言う真冬の髪を、男性は優しく撫でる。

「そうだな。お金を貯めて、二人で行こう」

真冬と男性は、一緒に北欧に行く約束をした。そして、二人の顔がゆっくりと近づき、唇が優しく重なる。

ーーーそれは、叶うことのない約束だった。



頰を伝う冷たいものに真冬は目を覚ます。いつも、泣きながら目を覚ましてしまうのだ。

「……もう戻ってこないのに……」

そう呟くとまた悲しくなり、真冬はあふれる涙を拭う。

いつも、真冬は過去のことを夢に見る。もう戻らない幸せだったあの日々のことをーーー。
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