拾いものは危険な恋のはじまりでした
ごはん、味噌汁に卵焼き、焼き魚とサラダを手早く作りテーブルに並べた

ところで、シャワーを浴びた男が戻ってきた。

スエットに上半身裸で、髪の毛からは水滴が滴り落ちてくる。

「ちょっと、服をきてください!で、髪の毛も乾かさないとまた熱が

あがりますよ」

「乾かして・・」「ハッ、もう子供じゃないんだから・・・」

洗面所からドライヤーを持ってきて男を座らせると、後ろにまわり乾か

していく乾かしたところで、背中に目がいった・・・

やっぱり綺麗な龍・・・

「背中、触っていいですか」「あぁ」

龍の頭から尾の方へと指を滑らせていく「ッッ・・・」

「ありがとうございます。早く上着てください。

ご飯にしますよ」「あぁ」

テーブルに向かい合い朝食を食べた

「あの、名前を聞いてもいいですか?」

「あぁ、桐生奏(キリュウソウ)だ」

「お前は?」「あ、前島小春です。おいくつなんですか?」

「25、お前は?」「19歳です」

「もう、体調は大丈夫そうですか?」

「お陰様で熱も下がったようだ、ありがとう」

「だったら良かったです。一人で帰れそうですか?」「あぁ」

「食べたら帰ろうと思う。そのうち礼でも」

「お礼なんて気にしないでください。それより、もう、倒れたりしない

ようにしてくださいね」


そんな会話をしつつ、食事が終わると奏さんは昨日の服に着替え帰っていった。
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