転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
でも、なんとなく気まずくて、今日まで放置してしまっていた。タケルにはタケルなりの思惑があってヴィオラに縁談を申し込んでいるわけだけれど、それがどんな結果になるかまではあまり深く考えていないような気がする。
(ヤエコ様は、大丈夫かしら……途中で吹雪かないといいんだけど)
ヴィオラとタケルの縁談を持ちかけるために、ヤエコはイローウェン王国へ出かけている。
街道は整備されているし、吹雪いている日は動かないようにすれば、雪が降っている時期でもイローウェン王国の都まで往復することは不可能ではない。
だが、ヴィオラの結婚問題のためだけに今、この時期に父のもとに向かうのはやりすぎのような気がするのだ。国交を開く件だって大急ぎというわけではないのだろうし、春まで待ってから出かければよかったのではないだろうか。
もっとも、今、ヴィオラが考えたところでどうしようもないのだけれど。
「ココアをお持ちしましょうか?」
「ありがとう、ニイファ。あのね、ここに座ってくれる?」
とん、と自分の座っているソファを叩いた。
侍女は本来、主の前では座らないものだ。
けれど、ヴィオラとニイファの関係は違う――ただの主従ではなく、もっと近い関係にあった。
だから、ニイファもヴィオラの頼みであれば、迷うことなく慣習を破ってくれる。ヴィオラは、隣に座ったニイファに体重を預けた。
(ヤエコ様は、大丈夫かしら……途中で吹雪かないといいんだけど)
ヴィオラとタケルの縁談を持ちかけるために、ヤエコはイローウェン王国へ出かけている。
街道は整備されているし、吹雪いている日は動かないようにすれば、雪が降っている時期でもイローウェン王国の都まで往復することは不可能ではない。
だが、ヴィオラの結婚問題のためだけに今、この時期に父のもとに向かうのはやりすぎのような気がするのだ。国交を開く件だって大急ぎというわけではないのだろうし、春まで待ってから出かければよかったのではないだろうか。
もっとも、今、ヴィオラが考えたところでどうしようもないのだけれど。
「ココアをお持ちしましょうか?」
「ありがとう、ニイファ。あのね、ここに座ってくれる?」
とん、と自分の座っているソファを叩いた。
侍女は本来、主の前では座らないものだ。
けれど、ヴィオラとニイファの関係は違う――ただの主従ではなく、もっと近い関係にあった。
だから、ニイファもヴィオラの頼みであれば、迷うことなく慣習を破ってくれる。ヴィオラは、隣に座ったニイファに体重を預けた。