転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「はい、温かくなりましたね。リヒャルト様も、そろそろサンルームにおいでになる時間でしょう」

 ニイファは、ヴィオラの世話以外には手を出さない。

 そのかわり、満月宮で働いている侍女から頼まれれば、嫌とは言わずくるくるとよく働くから、満月宮で働いている侍女達との仲は良好だ。

 こんな優秀な侍女に忠誠を誓ってもらえるなんて、なんて幸せなんだろう。

(……ニイファにも、幸せになってもらわなくちゃ)

 片想いだった、身分違いだった、実るはずがなかった――ニイファはそう言うけれど、本当にそうだったのだろうか。

 ニイファの忠誠心を一方的に受けるのではなく、きちんと報いてやらなければと改めて決意した。



 ヴィオラがサンルームに入った時には、リヒャルトはもうソファに座って待っていた。

「リヒャルト様! 今日はありがとうございました」

「顔色がよくなったな。ニイファ、君も座って一緒にお茶を飲むといい」

「ありがとうございます、リヒャルト様。今日は、ミナホ国の甘味だそうですよ。ええと、『お汁粉』でしたか」

 リヒャルトの誘いを受けたニイファは、まずは給仕とばかりにワゴンの中身をテーブルに移動させていく。

「わあ、私これ大好き!」

 ニイファは、ヴィオラの前に漆塗りの椀を置いた。添えられているのは、箸ではなく小さなフォークだ。
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