転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 タイシンとラファエラ妃につながりがあるらしいと説明すると、タケルは首をかしげる。

「先生がラファエラ妃に近づく理由はないんだけどなあ。実績を作れば黙っていられないだろうって、母上は先にそれぞれの妃の母国とのつながりを作ることに決めたしな」

 腕を組んで考え込んでいるところを見ると、タイシンが一人で先走ったということか。

 そう口にしたタケルだったけれど、話しながらも表情が曇ったのをヴィオラもリヒャルトも見逃さなかった。

「ただ、先生は、俺達がこの国と関わりを持つのを嫌がってる」

「なぜだ?」

 少しばかりタケルの方に身を乗り出すようにして、リヒャルトが問う。

「セドリックが言ってただろ。内乱のせいで、ミナホ国内はまだまだ不安定だって」

 前国王が亡くなった後、誰が後を継ぐかで相当揉めたそうだ。

 その結果、ヤエコの弟が現国王となったわけだけれど、争いは完全に終わったとはまだ言えないらしい。

「いずれ、海をこえて国交を復活させることはあっても、今はまだその時期じゃないというのが先生の考えだ。それに、先生は俺達の派閥についてくれているが……先生の家族の中には、反対派に属している者もいる」

< 185 / 215 >

この作品をシェア

pagetop