転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 ヤエコも離宮にいるという説明で納得した様子で、ジャニス妃、ラファエラ妃、と口の中で繰り返している。

「では、三妃と四妃に会うことにしようか。便宜ははかってもらえるんだろう?」

「ええ、もちろん。お二方と協力するのは、あなたにとっても悪くないことだと思うし」

「――このようなものが食べられるのであれば、しばらくこの国に滞在するのも悪くないな」

 ははっと笑ったヤエコは、勢いよく立ち上がった。それから、ヴィオラの方を振り返る。

「私のやった髪飾り、よく似合っているな」

「ありがとうございます、ヤエコ様」

「母上。俺、カレーパンのレシピをもらってから帰る」

「わかった。では、タイシンを残していこう」

 ヤエコを見送ったあと、タケルはヴィオラの部屋まで来た。そして、カレーパンのレシピを受け取ると、ほくほく顔で屋敷に戻っていったのだった。
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