【番外編完結】初恋にピリオドを
『ローランド、気安く触るな』

そう言って私の肩を抱いて足早にロッカールームを出て行こうとする。

『お、おい!リュー!』

怒っていても礼儀だからかドアの前で振り返り

『お疲れッス』

と言って龍くんはロッカールームを後にする。

私も早口で『お疲れさまでした』と言ったが聞こえたかは分からない。

そのまま会場前で停まっていたタクシーに乗り込み龍くんが何やら住所を伝えていた。

「龍くん、どこ行くの?私10時までにはホテルに帰らないと…」

「どこのホテル?」

「△○ホテルだけど」

「あとで連絡しといてやる」

そう言うとそのまま龍くんは黙り込んでしまった。
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