【番外編完結】初恋にピリオドを
仕方なく、朝にホテルの人が服や化粧品を届けてくれると言うのでシャワーを浴びることにした。

龍くんは何度も一緒に入ると言ってきたがそれは断固として断った。

何故か問われて恥ずかしいからと答えたら、何故か龍くんが真っ赤になって引き下がってくれた。

そんなこんなでゆっくりシャワーを浴びてバスローブに身を包み、部屋に戻ると軽食が届いていた。

「ねえ、そういえば普通試合でホテルに泊まる時ってこんな豪華なお部屋じゃないよね?」

「今回は瑠奈が来るから自分でスウィートルーム予約した」

「え?」

「白状すると婚約報道は俺の友達が流したんだ。
どうしても瑠奈に会いたくて、何回チケット送っても来てくれないって相談したら婚約したって新聞とかに載せてチケット送ったら来てくれるんじゃないかって……」

ソファーに小さく体育座りをしながら龍くんは私を見ずに話し出した。

相談した友達というのが日本のスポーツ紙を発行してる会社に勤務してる記者だという。

そう言われてみれば私が彩月くんから手渡されて見た後に駆け込んだコンビニでもそのスポーツ紙1社だけの独占だった。

その後、ワイドショーや他の新聞各社が報道し出した。

「ねぇ、私今回のエアメールが初めてだったんだけど」

「瑠奈がポスト見ねぇから彩月が隠してんじゃねぇか」

彩月くんは自他共に認めるシスコンだ。

龍くんと付き合ってることも認めてくれなかったのだからきっと届いたエアメールは全て上から2番目の引き出しに隠してあるはずだ。

「よく送ってくれてたの?」

「開催地が空港から近かったり、大学が休みの時のデカイ試合の時は毎回送ってた」

「そっか……ごめんね」

「お前は悪くねぇ」

そうだ、悪いのは兄だ。

「とりあえず帰ったらシめとくわ」

「本気でお前に怒られねぇと多分何度でもやるだろうな」

そんな怖いこと真顔で言わないでほしい。
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