キミの溺愛は甘すぎる。
部屋を出ると優翔が待機しており、私を見るなり嬉しそうに笑う。
「じゃあ行こうか」
そう言って、私の手を握るのも日常になっていた。
これだと恋人同士と間違えられてしまう。
もちろん進展はないのだから、苦しくなるばかり。
どれほど頑張って優翔の心を読み取ろうとしても読み取れないのだから、どうしようもない。
本当に扱いにくい男である。
一度や二度くらい、私も困らせてやりたいけれど。
いつも彼のペースになるのだから勝ち目などない。
何か良い方法はないかと考えるけれど、何も思いつかないのである。
「あっ、そうだ鈴華」
朝ごはんを食べ終え、行く準備を済ませた私たちは宮木さんが運転する車へと乗り込んだ。