キミの溺愛は甘すぎる。




「ちゃんと鈴華が寝坊しないようにね」
「寝坊しません!だからもう起こしに来なくていい!」

「絶対起きられない気がするなぁ。
さっきだって全然スマホ、見つけられてなかったし」

「うるさい!」


恥ずかしくて思わず叫んでしまったけれど、その時にふと昨日を思い出した。

あまり言い返してばかりいると、優翔が私と話すことに疲れるかもしれない。


頭を数回横に振り、無理矢理笑顔を作る。


「お、起こしてくれてありがとう…」

素直な気持ちではないけれど、とりあえず笑ってお礼を言う。


そんな私に一瞬驚いた様子の優翔だったけれど、すぐ優しい笑みへと戻り。


「じゃあ今度は親指じゃなしに唇で触れていい?」

さらに調子に乗ってしまう。
これだと意味がないというのに。

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